[この記事は Yusuf Ozuysal、チーフ タブ カスタマイザーによる Android Developers Blog の記事 "Chrome custom tabs smooth the transition between apps and the web" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

ウェブのコンテンツを Android アプリで表示しようとするとき、開発者は難しい問題に直面します。ユーザーにとってなじみがあって実装も容易なのは、ブラウザでリンクを開ける動作ですが、アプリとウェブ間のデータ移行が重くなってしまいます。WebView をカスタマイズすれば、よりきめ細かい制御が可能になりますが、技術的に複雑になり、ユーザーにとっても操作しずらくなります。最新バージョンの Chrome の新機能、カスタム タブを使えば、Chrome のルック アンド フィールをカスタマイズして、アプリからウェブ コンテンツへの遷移を素早くシームレスに行えるようになります。
プレローディングを使った Chrome カスタム タブとChrome および WebView
Chrome カスタム タブを使用すると、使い慣れたウェブ エクスペリエンスをアプリ ユーザーに素早く提供することができます。カスタム タブは、WebView や Chrome の既存の起動方法より早く読み込めるように最適化されています。上記のように、アプリがバックグラウンドでページをプリローディングできるので、ユーザーの操作とほぼ同時に読み込んで表示されます。Chrome のルック アンド フィールもカスタマイズできます。ツールバーの色や遷移アニメーションを変えたり、さらにはツールバーにアクションを追加してアプリに合わせることができるので、ユーザーはカスタム タブからアプリ固有のアクションを直接実行できます。

カスタム タブは、Chrome の高度なセキュリティ機能 (マルチプロセス アーキテクチャや堅牢なパーミッション モデルなど) を活用しています。Chrome と同じ Cookie ジャーを使用しているため、ユーザー情報の安全を確保しながら、使い慣れたブラウジング操作が可能になります。たとえば、Chrome でユーザーがあるウェブサイトにログインしている場合、カスタム タブで同じサイトに行けば同様にログインされます。ユーザーのウェブ ブラウジングを容易にするその他の機能として、パスワード自動保存、オートフィル機能、「タップして検索」機能、Sync 機能などもカスタム タブで利用できます。
既存の VIEW インテントのパラメータを幾つか微調整すれば、開発者はカスタム タブをアプリに容易に組み込むことができます。数行のコードを追加するだけで、基本的なインテグレーションが行えます。また、サポート ライブラリを活用すると、複雑なインテグレーションも簡単に完了できます。カスタム タブは Chrome 機能の 1 つなので、最新の Chrome が使えるどのバージョンの Android でも利用できます。

ユーザーがまもなくカスタム タブを使えるようになるのは、Feedly や、The GuardianMediumPlayer.fmSkyscannerStack OverflowTumblrTwitter ですが、順次増えていきます。ご自分のアプリケーションでカスタム タブを利用し始めたい方は、デベロッパー ガイドをご覧ください。


Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team