[この記事は Ellie Powers、Google Play プロダクトマネージャーによる Android Developers Blog の 7 月 30 日の記事 "Iterate faster on Google Play with improved beta testing" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

7 月 30 日より、Google Play でのベータ版テストの管理とユーザーの参加がより簡単にできるようになりました。ベータ版テストがリリースされてから 2 年が経った今、多くの開発者にとって、ベータ版テストはワークフローの要となっています。ベータ版テストを通して、アイディアのテスト、迅速なフィードバック収集、そしてアプリの改善を実施できます。調査したところ、人気のあるアプリの開発者の 80% がワークフローの一部としてベータ版テストを日常的に実行していることがわかりました。

デベロッパー コンソールでベータ版テストを管理するための改善

開発者は、アップデートを製品に反映する前に、Google Play のデベロッパー コンソールを使用して、選択したユーザーにアプリの初期バージョンをアルファ版テストまたはベータ版テストとしてリリースできます。選択されたユーザー グループは Google Play でアプリを通常通りにダウンロードできますが、ストアでのレビューまたは評価はできません。これにより、開発者がバグやその他の問題に対処している間に、アプリの掲載情報が悪化するということが防止できます。

フィードバックに基づいて、ベータ版テストをより効率的に管理するための新機能、およびユーザーがワンクリックで参加できるようにする新機能が追加されました。

  • NEW!オープン ベータ - オープン ベータを使用すれば、ユーザーがリンクを一回クリックするだけでベータ テストに参加できるようになります。オープン ベータの 1 つの利点は、テスターの人数を大幅に増やすことができることです。参加できるユーザーの最大数を制限することもできます。
  • NEW!メール アドレスを使用したクローズド ベータ - ベータ版にアクセスできるユーザーの数を制限するための新しいオプションとして、メール アドレスのリスト(個別に追加するか、.csv ファイルとしてアップロードできます)を使用してクローズド ベータをセットアップできます。これらのユーザーは、ワンクリックのオプトイン リンクを使用してベータ版に参加できます。
  • Google+ コミュニティまたは Google グループを使用したクローズド ベータ - これは現在使用されているオプションであり、引き続きGoogle+ コミュニティまたは Google グループとともにベータ版を使用できます。既存のテスターを維持して、オープン ベータに移行することもできます。

ベータ版テストを使用して成功している開発者

ベータ版テストは Google Play および Android の迅速な反復機能の 1 つであり、Diamond Dash、Jelly Splash、Agent Alice などヒット作品を製作した Wooga のような開発者の成功に貢献しています。Wooga が Android でどのように製品の改善を行ったのか、パートナーシップの責任者 Sebastian Kriese とエンジニアリングの責任者 Pal Tamas Feher に聞いてみましょう。

Kabam は、ハリウッド スタジオと協力し、マーベル、「ワイルド スピード」、「スター ウォーズ」、「ホビット」など人気作品をベースとした AAA 品質のモバイル端末ゲームを開発したグローバル リーダーです。ベータ版テストによって、Kabam のエンジニアは Android 端末のゲーム プレイを、公開前に完璧に仕上げることができました。「Google Play のアルファ版/ベータ版テストで的確なフィードバックを受け取って迅速に反復する機能は、世界に向けた公開に非常に役に立っています」と Kabam の副社長 Rob Oshima は言います。

Vector Unit の共同創業者である Matt Small は、最新のインタビューで、ベータ版テストを徹底的に活用し、Beach Buggy Racing の改善、およびベータ版テストでしか発見できなかったであろう問題の特定を行ったと話しています。Vector Unit が実施した内容については、Matt が Google Play でのベータ版テストに関して書いた Gamasutra のブログ記事をお読みください。Matt による活用のヒントをいくつかをピックアップして次に示します。

  1. 機密情報にかかわるビルドは、メール アドレスを使用して個別のテスターを招待するクローズド ベータに制限。目立つ問題を解決したら、製品として公開する前に、アプリをオープン ベータとして公開してより広いユーザーからフィードバックを収集。
  2. 求めるものを早めに明らかにする。ベータ版テストのリスク(ソフトウェアが安定していない可能性があるなど)についてユーザーに通知し、フィードバックに何を求めているかを伝える。
  3. 批判的なフィードバックを歓迎。批判がよく考えられていて明確に説明されている場合はユーザーに感謝し、あまり役に立たないフィードバックはより生産的な方向に導く。
  4. 迅速な対応。ユーザーがゲーム開発者から実際に返答を受けると、参加する意欲がより高まる。
  5. Google Play のゲーム サービスの有効化。実績、リーダーボードなどの機能に公開前にテスターがアクセスできるようにするには、Google Play のゲーム サービスのテスト パネルに移動して、それらを有効にする。
ベータ版テストの今回のアップデートによってアプリのテストや貴重なフィードバックの収集が容易になり、上記活用のヒントがテストが成功に導くことを願っています。デベロッパー コンソールのヘルプ センターにアクセスして、アプリへのベータ版テストのセットアップに関する情報を参照してください


Posted by Yuichi Araki - Developer Relations Team