[この記事は Jake Leichtling、Physical Web 調査担当による Chromium Blog の記事 "Exploring the Physical Web with Chrome for iOS" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

インターネットに接続されている現在の世界では、人々と瞬時に電子的なやりとりをする方法が数多く存在します。たとえば、高度なパーキング メーターではクラウドを介して支払いをすることができます。ただし、開発者にとっては、人々が簡単にアクセスできるコンテクスチュアルなエクスペリエンスの構築は容易ではありません。スマートフォンが普及した現在でも、ユーザーは外出中にアプリのインストールをしたり URL の入力をしたがらないという傾向があります。

Physical Web は、ユーザーが抵抗なく使用できるコンテクスチュアルなインタラクションを構築するために役立つオープン ソース アプローチです。数か月前、Chrome for iOS に Today ウィジェットが追加され、ユーザーが新しいタブを開いたり、通知センターから直接音声検索を実行したりできるようになりました。 また、新しい Chrome for iOS では Physical Web が Chrome Today ウィジェットに統合され、ユーザーが自分に関係のある Web コンテンツのオンデマンド リストにアクセスできるようになりました。
先日発表されたオープン Bluetooth Low Energy ビーコン フォーマットである Eddystone を使用した Physical Web により、コンテンツを検索可能にすることが容易になりました。Eddystone では、各種のユースケースのために複数のフレーム タイプがサポートされます。Physical Web は、圧縮された URL を表示するために設計されたビーコン フレーム タイプの Eddystone-URL を使用し、ブロードキャストされるコンテンツを表示します。コンテンツを Physical Web に追加するには、Eddystone-URL をサポートするビーコンを設定して、選択した URL を送信するだけです。

Physical Web を有効にしているユーザーが Today ビューを開くと、Chrome ウィジェットがブロードキャストされた URL をスキャンしてその結果を表示し、ビーコンとの距離を推測してコンテンツをランク付けします。Physical Web によって実現されるユーザー エクスペリエンスをより詳しく知りたい場合は、Google の Cookbook にアクセスし、GitHub のオープン ソース コミュニティに参加してください。

新しい Chrome for iOS は、ユーザーの日々のモバイル エクスペリンスに、Physical Web へのアクセスを追加するための最初の試みといえます。エコシステムの拡充に伴い、 Google は Physical Web を ユーザーの手元に届ける新しい方法を模索し続けます。みなさんの開発した新しいコンテクスチュアル エクスペリエンスに出会える日を楽しみにしています。

Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team