[この記事は Jamal Eason、Android プロダクト マネージャーによる Android Developers Blog の記事 "Android M Developer Preview & Tools" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

このブログの元記事は Google I/O 当日に投稿されました。

先日 Google I/O で、Android の次期バージョンのデベロッパー プレビュー、M のリリースを発表しました。昨年のデベロッパー プレビューは Android で初めてのものでしたが、多くのありがたいフィードバックをいただきました。Google は開発者の皆さんに早めに Android 新規バージョンをお使いいただき、あらかじめアプリを対応していただけるよう時間をかけています。今回の M デベロッパー プレビューでは、テストとフィードバックの明確な予定をたて、加えてプレビュー ビルドにさらにアップデートを追加する予定としています。

M デベロッパー プレビュー サイトでダウンロードしてドキュメントをご確認ください。

Android M リリース: 基盤の改良

M リリースでは、Android の中核的な操作性の向上に努めました。何千ものバグを修正し、プラットフォームの基盤にも次のような大きな変更を加えました。
  • パーミッション - M リリースではアプリのパーミッションをコントロールできます。アプリは実行時にパーミッションを適切に要求でき、パーミッションを付与するかどうかをユーザーが選択できるようになります。必要になったときにすぐパーミッションのリクエストを送信できることで、アプリを実行したまま すみやかに対処できるようになります。また、ユーザーはアプリの設定画面ですべてのパーミッションを簡単に管理できます。M では開発者の皆さんに、必要時にすぐパーミッションを要求でき、付与されていないパーミッションをつけられるようなアプリを構築していただけます。より多くの端末が M にアップグレードされていけば、アプリのパーミッション動作がテスト対象の極めて重要な開発フローになります。

  • 実行時アプリ パーミッション
  • アプリリンク - アプリのリンクがさらに簡単に行えるようになります。Android で常に許可アプリが登録され、ネイティブに URL が処理されます。autoVerify 属性をアプリのマニフェストに追加できるため、ユーザーがあなたのネイティブ アプリに不明確性を解消することなくディープ リンクできるようになります。Google 検索の App Indexing とともにアプリリンクが使われると、ユーザーがあなたのアプリを見つけやすくなり、リピート率を向上できます。
  • バッテリー - Doze と呼ばれる新しい機能で Android 端末がよりスマートに電力を管理できるようになります。Android M では端末がしばらく使われないでいることを検出する、さらに優れた動作検出機能が用いられています。この状態では、Android は少しばかりのアプリのデータの新鮮さやバッテリーの寿命と引き換えに、バックグラウンド での動作を劇的に低下させます。この動作がアプリにどのように影響するか、ご検討ください。たとえばチャットアプリを作成している場合、端末がスリープ状態でも優先度の高いメッセージを受信したらアプリが起動するようにすることもできます。

Android M リリース: 高度なサポートと支払いシステム

次のような重要な新しい機能もリリースされます。
  • Now on tap - Now on tap を使うと、Android ユーザーがさらに簡単に、必要なときに度の端末でもサポートを受けられるようになります。たとえば、友だちから新しいレストランでの夕食のお誘いがあったら、使用中のアプリを中断することなく Google Now でサポートを受けられます。Google は提供された限定的な情報からメニューや評価を検索し、テーブルの予約や交通アクセス、関連アプリへのディープリンクまでもが表示されます。開発者としては Google 検索の App Indexing を実装することで、Now on tap からあなたのアプリを検出しリピート率を高めてもらうことができます。

  • Now on tap
  • Android Pay と指紋認証 - Android Gingerbread では近距離通信(NFC)が、Android Kitkat ではホスト カード エミュレーションが実装されましたが、今回は Android Pay が実装されます。Android Pay を使うと、Android ユーザーが簡単かつ安全に Android モバイル端末を用いてお店や何千とある Android Pay パートナー アプリで支払いができるようになります(Android Pay は、現時点では米国のみで提供されています)。M ではネイティブの指紋サポートが強化されており、Android Pay を使って指紋で購入を確認できます。さらに M の指紋認証は端末のロックを解除し、Google Play での購入にもご利用いただけます。M の新しい API を使えばアプリに指紋認証を簡単に追加でき、さまざまな端末やセンサーで一貫して機能させることも可能です。
これらは先日発表した M デベロッパー プレビュー機能ほんの一部です。ぜひ、M プレビューをダウンロードください。

Android デベロッパー ツール

デベロッパー プレビューに加えて、Android アプリの開発をサポートする次のような新しいツールもリリースされています。
  • Android Studio v1.3 プレビュー - M デベロッパー プレビューの機能を活用いただくため、Android Studio の新規バージョンをリリースしました。Android NDK やゲーム開発者から待ち望まれてきた機能である、C と C++ コードの編集とデバッグがサポートされます。JetBrains Clion プラットフォームに基づき、Android Studio NDK プラグインではリファクタリングや C/C++ のコード コンプリート(Java コードに加えて)などの機能が提供されます。Java と C/C++ コード サポートが、Android アプリ デベロッパー向けに無料で 1 つの開発環境として統合されます。Canary チャンネルで Android Studio v1.3 にアップデートできます。ご感想をお寄せください。

  • Android NDK をサポートする Android Studio 1.3
  • Android Design Support Library - 新しい Android Design support library を使えば、マテリアル デザインのアプリをさらに簡単に作成できます。Floating Action Button(FAB)、snackbar、Navigation View、モーション対応 Toolbar などの重要なデザイン コンポーネントをパッケージにしてご提供します。API 7 まで下方互換性があり、アプリに追加することで最新ですばらしい外観の Android アプリを、すべて最初から作り上げる手間をかけずに構築できます。
  • Google Play サービス - また、Google Play サービスの v7.5 がリリースされました。Smart Lock for Passwords、Google Cloud Messaging や Google Cast 向けの新しい API、Android Wear 端末で動作する Google Maps API など数々の新しい機能が含まれます。

スタートガイド

M デベロッパー プレビューには、アップデートされた SDK とツール、公式 Android エミュレータでテストするためのシステム イメージ、Nexus 5、Nexus 6、Nexus 9、Nexus Player 端末でテストするためのシステム イメージが含まれます。これを広くご活用いただき、今秋に正式版がリリースされる M を時間をかけてアプリでサポートするようご確認いただけることを願っています。いただいたフィードバックに基づき、M デベロッパー プレビューのシステム イメージをデベロッパー プレビュー期間を通じてたびたび更新していきます。早めにお知らせいただければより多くのフィードバックを反映できます。是非お知らせください

M デベロッパー プレビューを開始して正規リリースに備えてアプリを対応させるには、次の手順に従ってください。
  1. Android Studio v1.3+ プレビューにアップデート
  2. M デベロッパー プレビュー サイトでダウンロードしてドキュメントをご確認ください。
  3. 新しい APIアプリのパーミッションの変更をご覧ください。
  4. Android Design Support LibraryGoogle Play サービス 7.5 API をご覧ください。
  5. SDK Manager からエミュレータ システム イメージを入手するか Nexus 端末のシステム イメージをダウンロードしてください。
  6. サポートされる Nexus 端末かエミュレータでアプリをテストしてください。
  7. フィードバックをお寄せください。