[Google 日本語入力チームのソフトウェアエンジニア野中成吾から、Google 日本語入力のアップデートについての寄稿をもらいました - 山崎]

梅雨の晴れ間にのぞく青空が夏の到来を感じさせるこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。梅雨はじめじめと恨めしい限りですが、たまの晴れ間に見える透き通る空を見上げると、うつうつとした気分が晴れるように清々しいものですね。我々 Google 日本語入力チームも、みなさまに気持よく使っていただけますよう、日々精進してゆきたいと思っております。皆様引き続きのご愛顧をよろしくお願い致します。

さて、本日 Google 日本語入力の開発版をアップデートしましたのでお知らせします。今回の更新は以下のとおりです。

共通の変更点

  • 変換性能の向上を行いました。
    • 変換速度を 30%程度高速化しました。
    • 短い単位の入力でも変換精度が向上しました。
    • 固定表現に対する変換精度が向上しました。
    • サジェスト候補と、変換した際の候補が異なる現象を軽減しました。
    • 「もしかして」機能の精度を向上させ、誤字がサジェストされる現象を軽減しました。
    • 英単語の候補がサジェストされやすくなりました。
      • 例: ぐーぐ → Google
    • 助詞から文字入力する場合の操作性を向上させました。
      • 例: 名詞の後に「にかく」を入力すると「二画」と「に書く」の両方が候補に出ます。
    • アンドゥ機能の挙動が改善されました。
    • 新機能の追加をしました。
      • ユニコードのコードポイントから実際の文字に変換する機能を追加しました。
        • 例: U+611B → 愛 (注:現在は日本語のみの変換が行えます。)
      • 時刻変換機能に「30分」を「半」とする候補を追加しました。
        • 例:12 時 30 分に「今」を変換すると「12時半」が候補に表れます。
      • 4桁の数字を対応する時刻や日付に変換する機能を追加しました。
        • 例:1230 → 12月30日、12時半、などの変換ができます。
      • 辞書ツールで複数エントリを一括して修正できる機能を追加しました。
      • サジェストにのみ使用する単語をユーザー辞書より設定できるようになりました。
      • 辞書登録ダイアログで、単語を入力すると自動的に読みを推測する機能を追加しました。
      • 「もしかして」機能、郵便番号辞書、カタカナ英語辞書の有効/無効を選択できるようになりました。




    既知の不具合

    • 西暦から年号への変換が、一部正しく行われないことがあります。この問題は次回更新で修正されます。


    Windows 版の変更点


    • 入力中の文字が複数の行にまたがるとき、サジェストウィンドウが入力中の文章を隠さないようにしました。
    • Windows 7 のジャンプリスト機能に対応しました。Google 日本語入力のプロパティや辞書ツールがタスクバーに表示されているときに、ジャンプリストから他の機能を呼び出すことができます。



    Mac 版の変更点

    • 確定履歴のデータの保護について、キーチェーンの利用を廃止しました。このため、既存の確定履歴からのサジェストが失われます。データを復帰させたい場合は、「アプリケーション>Google 日本語入力」フォルダ内の「確定履歴データの移行ツール」を利用してください。


    既に開発版をお使いの場合は自動的に更新されますので、そのままお待ちください。バージョン番号は次のように更新されます。オープンソース版は近日中に公開されます。

    • Windows 版: 1.1.717.100 → 1.1.758.100
    • Mac 版: 1.1.717.101 → 1.1.758.101
    • オープンソース版: 1.1.717.102 → 1.1.758.102



    今回、正式版に変更はなく、以下のままになります。

    • Windows 版: 1.0.556.0
    • Mac 版: 1.0.556.1



    今回もヘルプフォーラム を通じてユーザーの皆さまにたくさん助けていただきました。いつも本当にありがとうございます。チーム一同、心より感謝しております。今後も皆さまからのフィードバックをお待ちしておりますので、お気軽に ヘルプフォーラム をご活用ください。