Hack For Japan ですが、3月19日/20日にアイディアソン、3月21日にハッカソンを無事終了しました。ご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。ただし、Hack For Japan 自体はまだ始まったばかり。あくまでキックオフが終わったのみであるということ、ご理解ください。

突貫で作った物でブラッシュアップは必要ですが、基本的なインフラは整っています。開発者以外の皆様、「こんなサービスを作ってほしい」と考えておられる場合は、Google Moderator に投稿、もしくは投票してみてください。開発者の皆様、「何か役に立ちたいけど、どんなサービスが求められているのかわからない」と思っておられる場合は、Google Moderator をご覧下さい。「アイディアはあるけど、インプリについて有志で議論したい」と思っておられる場合は、Google Wave で聞いてみてください。「サービスを作ろうと思っているけれど、クラウドってお金がかかるよね」という場合は「利用できる技術」のページをご覧下さい。たくさんの企業が無料もしくは低価格で被災者支援プロジェクト向けのプログラムを提供しています。「ツールはあるけどデータがない!」という場合は、「利用できるデータ」のページをご覧下さい。

さて、一旦ここまでのまとめをシェアさせて頂きます。Google Moderator を通じて開発者がアプリ開発に使えそうな素晴らしいアイディアをご提案頂き、Google Wave 1 日目,  2 日目3 日目を通じて有意義な議論を行って頂き、既にいくつかのプロジェクトを開始して頂いております。

3 月 24 日現在のデータとしては:
賛同企業 15 社/賛同者 549 人。* 登録をせずに、オンラインでの議論やハッカソンには参加している方は是非賛同者登録をお願いします。
Google Moderator 上では 565 人の方にご参加頂き、258 個のアイデアと 5,447 個の投票が行われました。
Google Wave 上では、1,279 個のコメントが寄せられました。1 日目,  2 日目, 3 日目
Twitter での議論のまとめこちらをご覧下さい。
英語での Google Wave での議論はこちら
京都会場(62 人が参加)の写真はこちらこちらこちらにアップロードされています。
福岡会場(7人が参加)
岡山会場(10人が参加)の写真はこちらにアップロードされています。
徳島会場(4人が参加)


Hack For Japan
[京都会場での集合写真]


「3月19日/20日がアイディアソン」と説明しましたが、これは21日のハッカソンに向けて、というお話。アイディアソン自体は続きますので、いつでも Moderator や Wave にアイディアを追加して下さい。また、ハッカソンは企画した人がどんどん開催していく形式ですので、既に京都ハッカソン第二弾/大阪ハッカソンなどが検討されているようです。更には海外にも飛び火し、アラブ首長国連邦(UAE) のドバイで約 50 人が参加した #hack4jp ハッカソンが開催されたとの報告が届いています。

さて、もう少し詳細もお伝えしていきましょう。Google Moderator はアイディアの宝庫です。そこで Moderator にあがっている上位10個のアイディアをご紹介します。

Google Map上に避難所を表示し、そこに避難所の情報(避難している人­数、足りないものなど)を紐付ける。避難所へのルートも確認でき­るようにし、支援物資の輸送の手助けとする。とにかく情報が分か­りやすく確認できるものが必要だと思います。

避難民受け入れマップ:非被災地の自治体で被災地地域住民の受け入れを表明している情報を一覧可視化、空き情報などをアップ­デート、ネットや通信環境が充分でない人のために斡旋仲介をで­きる体制など。

支援物資の避難所までの経路を中継地点ごとにビジュアルで表示­し、支援物資の需要と供給を一元管理できるような仕組み。 各避難所からは必要物資と数量を書き込め、各避難所に近い中継地­点にもそれらの数値が反映される。 また各中継地点には、中継可能地点や全国からの送付受付可能かど­うかなどの情報や現時点の在庫、必要数、倉庫のキャパシティなど­の情報が表示される。 避難所はもちろん近隣や隣県で倉庫を持っている人などは中継地点­としての登録もできるようにする。

各避難所に泊まっている人数や、家がなくなってしまって探して­いる人の人数、問題を抱えている人の人数がタイムラインになって­いて、日々の改善状況が一目でわかるシステム。改善されていない­避難所を知るために必要だと思います。

被災各地での技術者マッチングシステム。医療関係者からボラン­ティアまで、「どの場所にどういった人材が不足しているか」を被­災者または現地訪問者がアップロード、支援者(または現地で活動­可能な方)とのマッチングを行う。またその際「今すぐ必要or1­週間以内」「作業従事者or資格保持者or 資格なしでも可能」「­機材として○○希望」などのタグを設け、適切に必要な人材が手配­できるようにする。復興期においては、同プラットフォームを人 材­募集にも活用できると良いか。

震災では、今後、中長期的に、こころのケアがとても重要になっ­てくると思います。東京都福祉保健局によりこのようなPDFファイルが作成され配られていますが、この11­ページや12ページの質問項目を使って、スクリーニングツールを­作成したり、携帯端末でこの資料にあるような内容を一般向けに分­かりやすく伝えるツールを作成したりすることはどうでしょうか?­

リアルタイム電力消費メータ。東電さんからはデータを提供して­いただく。 都民は、そのリアルタイム電力消費メータを確認して、随時節電を­敢行。

現在の交通の復旧状況を前提とした経路検索。既にリリースされ­ているGoogleとホンダのマッシュアップ地図を利用。主に東­北エリアを対象とするが、首都圏版では駅の混雑状況共有もできる­とよい。

震災後に「飲み水を確保する方法」、「食べも物を確保する方法­」、「SOSをあげる方法」、「寒さ、暑さをしのぐ方法」、「応­急処置の方法」が辞典 になってるアプリケーションが欲しい。WE­Bサービスでなくってアプリケーションで欲しい。なぜなら通信の­インフラもつぶれてるかも知れないから。

電波・通信の通信・復興状況を Google maps に反映させる­仕組み。 「ここまでは電波が届いているが、ここから先は届いていない」が­視覚的に分かるもの。 http://togetter.com/li/111197 ­の情報などを上手く地図に反映できないだろうか? 避難所の地図と連携させることで、情報孤立している避難所もわか­ってくる。

Google Wave での膨大な議論はこちらにまとめてあります。

さて、こうして提案されたアイディアから、実際に自分がやってみたいプロジェクトを提案するというのが Project list です。完成して公開済のプロジェクトは 2 個、アクティブ/作業中な物は 13 個(うち引き続きメンバー募集中の物が 3 個)、メンバー募集中の物は 3 個あります。


ハッカソンはオンラインとオフラインの両方で行われました。


Hack For Japan

Hack For Japan

[ハッカソン京都会場の様子]

●京都会場では下記のサービスの開発が行われました。なお、京都のオフライン会場とオンライン会場のメンバーが Skype チャットを使いながら共同で開発にあたるという場面も。

デマだったー」 Twitter 上のツイートがデマであれば、それをデマであると報告してもらい、その集約結果を用いてデマ情報が広まることを防ぐ
炊きだしたん」炊き出し情報検索サービス
5Goods」マイクロボランティアの手法を使って、被災地の方にWEBを通して応援のメッセージを届けるサービス
地域ツイート」各地域のハッシュタグや周辺地域のハッシュタグのつぶやきを見れるサイト
わん!クリックで救助検」1クリックで場所を特定して、その場所の周辺の有益な情報(炊き出し情報や計画停電情報など)を公開しているサイトのリンク集を表示するサービス
はてな震災情報」はてなブックマークに集まっている有益な震災情報を、ユーザーが参加して編集し、まとめられるサービス
ペットファインダー」Google Person Finder のペット版

福岡会場では、支援者が楽しんで支援できるようにするために,義援金や献血の血液の寄付状況をグラフ化したり、マップ表示したり、ゲーム感覚で可視化するサービスを提供する「どねったー」、どねったーから寄付や献血等のドネーションに関する情報を得て、それらの情報を元にキャラクタを育てる育成ゲーム「どねーと牧場(仮)」、そして hack4jp でこれから作られるアプリケーションで必要とされる機能を整理し,これらの多様な技術を利用できるように仲介するミドルウェア「とりあえずAPI」の開発が行われていました。

岡山会場では、被災地の方が現地の写真を撮影して、その写真と位置情報をGoogle Mapで表示する「被災地マップ(仮)」とUstream にアップされているチャリティーライブや、報道番組のポータルサイト「Act4LIVES- action for world lives -」の開発が行われました。

徳島会場では、Chromeアドオンで、Twitterサイト上で流れてきたRTに対して、外部サイトのタグ(はてなブックマークのタグ)や関連エントリー(そのツイートが含まれるTogetterや、今回他の方が作られる関連サービスへのURL)などのメタ情報を、外部サイトを見るまでもなく、その場で情報を付与することで間違った噂の拡散を防ぎ、正しい情報の拡散を進めるサービス「ReTweetPlus」が開発されたほか、どんなプロジェクトがあるか、どのような貢献ができるかを調査し、wikiにまとめるという調査プロジェクトが行われていました。

京都会場では Google の及川卓也と、さくらインターネット研究所の松本直人さんによる TechTalk、はてなの近藤淳也さんとさくらインターネットの田中邦裕さんによる講評を頂きました。(リンクからすべての動画にアクセスできます。)


Hack For Japan

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[Hack For Japan 京都会場より。 HFJ の文字が読めますか?]


Hack For Japan は、開発者の皆様の力が求められている「今」、皆様が使えるツールを提供したり、自分が足りないスキルを補ってくれる仲間を捜したり、求められているサービスを知ることで開発者が活躍できる場を提供する為のプロジェクトです。ご協力頂いた皆様に感謝するとともに、Hack For Japan の真価はこれらの場やツールを開発者の皆様がどれだけ利用して、よいサービスを作ってくださるかにかかっています。引き続きどうぞよろしくお願いします。

なお、オフライン会場の手配は全て各地の GTUG (Google Technology User Group)の皆様が行ってくださいました。また、開催にあたって Google API Expert の皆様からたくさんのアドバイスを頂きました。改めて御礼申し上げます。


(写真は全てクリエイティブコモンズ表示非営利改変禁止ライセンスで山崎富美が公開した物です)