[最近 Google Chrome 関連のアップデートが多かったため、developer advocate の北村英志に Chrome についての最新情報を寄稿して頂きました。-山崎]

今回は最近アップデートの多かったブラウザ Google Chrome の最新情報について、まとめてお知らせします。

ユーザー数が 1 億 2 千万人を突破

Google Chrome の全世界におけるアクティブユーザー数が 1 億 2 千万人に達しました。今年初頭の 4 千万人からは、3 倍に増加したことになります。

Chrome8 がリリース

Google Chrome の Stable バージョンが 8 になりました。このアップデートでは 800 のバグ修正と安定性の向上、ビルトイン PDF ビューワーの機能が追加されました。修正されたセキュリティ問題の一覧はこちらで御覧頂けます。何かバグを発見された場合は Issue Tracker までご報告ください。

また、ウェブのナビゲーションをさらに高速にする Google Instant が、Google の検索ページからだけでなく、Chrome の OmniBox からも利用可能になっています。ウェブページや検索結果の候補を一文字タイプするごとに表示することができるようになりました。

Chrome の JavaScript エンジン V8 がさらに高速に

Google Chrome の JavaScript エンジン V8 が、Crankshaft と呼ばれる新しいコンパイルインフラを搭載し、さらに高速になります。Crankshaft では、これまでよりもさらにアグレッシブなオプティマイゼーションを行うことで、計算処理を中心とした JavaScript のスピードを劇的に改善しました。



Crankshaft は、頻繁に利用されるコードには徹底的なオプティマイズを適用し、そうでないコードには適用しないことで、起動の高速化とピークの高速化を同時に実現しています。SunSpider のような短い処理で結果の出るベンチマークでは効果が現れにくいですが、処理の重いコードでは、顕著に違いが現れることでしょう。

Crankshaft を搭載した V8 は、32 ビットインテルアーキテクチャのシステムから Chromium に適用されていきますが、ARM や 64 ビットについては今後対応の予定です。

Chrome Web Store がローンチ

ウェブは HTML5 を中心とした新しいテクノロジー群の登場により、アプリケーションプラットフォームとしての色を増してきています。Chrome Web Store はそれらのテクノロジーを使ったウェブアプリケーションのためのマーケットプレイスとして、米国時間で 12 月 7 日に公開されました。




Chrome Web Store の登場により、一般ユーザーの皆さんにとっては、新たなウェブアプリケーションの発見や、購入が可能になります。デベロッパーの皆さんにとっては、開発したウェブアプリケーションを流通させるだけでなく、直接的なマネタイズの手段を手に入れることができるようになるでしょう。

Chrome Web Store で提供されるウェブアプリケーションは、HTML や JavaScript、CSS といった標準的なテクノロジーで開発することができるので、通常のウェブサイトとして、他のブラウザから利用することも可能です。もちろん、Chrome および Web Store 向けに、HTML5 の最新機能を活用した、エッジの効いたアプリケーションを開発して頂くことも歓迎します。

アプリケーションの出品はどなたでも行うことができます。ただし、今回オープンした Web Store は米国向けのため、米国の住所をお持ちでない方は課金をご利用頂くことはできません。日本でのローンチは 2011 年前半を予定しています。Google Code に詳細な仕様を掲載していますので、ぜひローンチに向けて、魅力的なアプリケーションをご準備ください。

Chrome Web Apps
http://code.google.com/chrome/apps/
Chrome Web Store
http://code.google.com/chrome/webstore/